信号を守らない人たち
信号無視をする集団
朝の出勤時、歩行者用の青信号が点滅し赤に変わっているにもかかわらず、
悠々と横断歩道を渡っている集団をみたことはありませんか?車のあまり通らない
小さな交差点ならまだしも、新宿の大きな交差点で毎朝その光景をみていると
嘆かわしさを通り越して、何も考えずに赤信号を歩いて渡り、信号を守っている
人より早く会社に着き、スマホのチェックに余念がない彼らに憧れすらおぼえます。
無意識の集団心理
なぜこのようなことが起きるのか考えてみました。
信号を守るというルールは速度制限や免許携帯とは異なり、全ての歩行者や道路を走る車に適用されます。しかし信号無視による罰則や悪質性の評価が、車に比べて歩行者に
対しては圧倒的に低いと思いませんか。
道路交通法で定められている罰則も大幅にゆるく、みなさん赤信号で渡っては
いけないことは認識していても、青の点滅時に渡り始めてはいけないことを知って
いる人はほとんどいないのではないでしょうか。
これだけだと歩行者の道路交通法認識不足や罰則のゆるさだけが原因のような気が
してきますがもう一つ、大きな原因があります。
個人が周囲の行動に依存している事実
あれです。
「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」
この理論です。
私たちは無意識のうちに他人の行動に依存してしまっていることが多くあります。
例えば2018年の渋谷のハロウィン。
あの場にいなかった私からすれば、いくらなんでも街なかであんなにはしゃぐなんて
どうかしてと思うし、軽トラックの上で飛び跳ねる人と、それをあおり散らす周りの映像を見たら憤りや嫌悪感を感じないほうが少ないでしょう。
でももし実際に、あなたが何か月も前からハロウィン用のコスチュームを用意して計画を練り、電車を何本も乗り継いで渋谷に降り立っていたとしたら?街全体でパーティーをしているような雰囲気を肌で感じ、勧められるがままに飲んだいつもより強いお酒
の力を借り、歩いた先で軽トラの上ではしゃいでいる人とその周りで歓声を上げている人を見たら?冷静でいられる自信はありますか?
このように、普段は穏やかにあくまで普通に生活している私たちも周囲の人間たちの
行動に操られ、自らの意とは反した行動をとり、なおかつその行為を特に何も思わない
という、冷静に考えれば摩訶不思議な体験を1日のうちに何度も経験しているのです。
ちょっと大げさかもしれませんが、朝の新宿の交差点での出来事もこれと同じ現象だと思えばあっさり納得できます。
つまり
「あ、信号赤だけどみんな渡ってるし問題ないよね」
これだけ。
毎日毎日同じ交差点を渡って出勤している人たちには、もはやこの気持ちすらないのでしょう。
集団生活の中で、列を乱さずに生きていくことはとても大切です。
それが出来ずに悩んでる人もたくさんいます。
しかし、信号を守るという当たり前の社会的ルールが軽んじられ煙たがられて誰にも
守ってもらえないようでは私たちの生活は成り立ちません。